安倍首相の発現に

95年の村山談話では、植民地支配と侵略によって、損害と苦痛を与えたことを認め、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。 産経新聞政治部の阿比留瑠比と東京基督教大学の西岡力は、慰安所は軍が関与してのではなく、軍の命令に反して行なわれたのだ、国賊、朝日新聞は廃刊にすべきだと主張した。かつて、産経は、軍が関与していたことを認めていたはずだ。NHK教育テレビ「ETV2001問われる戦時性暴力」で当時、官房副長官だった安倍晋三は、松尾武NHK放送総局長と面会し、大幅に番組改正を行わせた。 安倍首相は、強制労働、慰安婦の強制の証拠はないとし主張した。もし、ないとしたら、日本軍にオランダ人女性が連行され、慰安婦にさせられたスマラン事件、花岡事件が起きたり、あるいは、三菱マテリアルが強制労働させたことを認めたりするのだろう。生物学者のリチャード アレグザンダー、ロバート トリバースは、私たちは他人を騙すために自分も欺くという「自己欺瞞の仮説」が出している。安倍総理のように、認知心理学の研究で、偽りの話でも繰り返されるうちに、話の詳細がホントのことのように記憶に刻みつけられることが明らかにされている。Trivers Robert.The Evolution of Reciprocal Altruism,Quarterly Review of Biology 1971;46:35-56.
ギリシャの詭弁家、プロタゴラスは、いかなることについての判断も、その判断した当人にとって正しいのだと言った。しかし、ワイツゼッカー独元大統領は、過去に目と閉ざすものは現在に対しても目を閉ざすとし、独政府は、ナチスの被害者に対し、10兆の賠償金を払ってきた。 メンケル首相もは、周辺諸国に非を認めることで、関係が良くなれると安倍首相に諭した。
Change Blindness(変化の見落とし)とは、不意打ちのように目が見えなくなる現象で、他人の目には明らかなミスも、自分には見えないことがある。人は見るとき、すべてが見えていると思っている。見えると思うものが見える。右派は、左派の問題点が見え、自民党支持派は自民党の問題点が見えない。TMDの原因の咬合派は、咬合の問題ばかり見える。非咬合派は、咬合も問題が見えない。

私たち歯科医の本性とは?

歯科医として社会や他人に利益をもたらすような向社会的行動を行っているように無理して演技している。それがうまい歯科医が、成功しているのである。老朽化した医院であるにもかかわらず患者さんは少ないわけではないから、なかなかの演技者だと自分でも思う。だいたい、歯医者が向社会的行動などできるわけがない。人の口の中に、癌に結びつくような有害な水銀、プラスティックなどを入れたり、矯正治療や歯に修復物をかぶせたりして、せっせと歯周病を作っているのだから。

劣等感は人によって強弱はあるが、誰でも持ち、あるから、その人の行動を誘発する。頭が悪く、成績も悪いので、その劣等感から、歯科医を目指した。歯医者になって猛烈に勉強し学会発表して目立ちたがるのは、頭も腕も悪く、器官劣等という劣等感の裏返しから誘発された。アドラーは、4歳まで、クル病で歩行が出来ず、肺炎、交通事故などで、自分の障害を常に意識し、強い劣等感から医師を志望した。しかし、劣等感が肥大化すると社会生活を歪んだものにする。私の持っている肥大化した劣等感の原因をアドラーは3つ示した。1.体に劣等感がある、2.甘やかされて育った、3.嫌われ、憎まれて育った。

歯科医院が裕福で、余裕がある時に、他の歯科医に患者を紹介しようとする。自分の医院が苦しくなるとそんな気にはなれない。人には、シャーデンフロイデという他人を傷つける喜びがある。チンパンジーは、コロブスモンキーを捕まえると生きているうちに手足をもぐ。どんなに抑制を効かせても、簡単に打ち消される。災難を眺め、自尊心をくすぐられたい、人に傷つけたい欲求が強くある。コリン ターンブルは著書「山の狩猟民」で、飢餓が高じて、東アフリカのイク族は、非人間的状態になっていく様を表した。彼は道徳は、贅沢の一つだと述べた。人は、満ち足りた時、他人も幸福になることを望む、自分が苦境にある時、周囲の不幸を望む。

歯科医師会のような群れには、緊張を受け止めるスケープゴードが必要で、歯科医は誰かを攻撃の置き換えにしようとする。高位の人をなだめる為、攻撃の置き換えは、新米の歯科医が対象になることが多い。縄張りを荒らされたと被害妄想にかかった歯科医は、自分のことを棚にあげ、巧妙に対象の若い歯科医の診療時間、治療法など問題にしようとしたがる。ラットに電気ショックを与え、痛みを被った上位のラットは下位のラットに攻撃しだすことが実証されている。スケープゴード理論は、男性特有の生まれついたものであり、女性には少なく、男は他の誰かのせいにしても少しも良心は痛まないのである。

歯医者は、同調行動といい、患者さんと同じ言動を真似ることによってその人と同じ意見や態度であることを伝える。しぐさ、動作、話し方を真似しながら呼吸に合わせて対話している状態を同調ダンスといい、患者さんの心をつかむのがうまい歯科医は同調ダンスを踊るのがうまいということになる。あいづちと微笑みは、患者さんを気持ちよくさせる報酬の役割がある歯医者さんが患者さんの話をじっくり聞いてくれると欲求不満のエネルギーを発散:カタルシス:浄化が起こり、緊張が低減するかも。ロジャーズ(臨床心理学者)によると、子供の話と聞き、うなずき、同意肯定し、その子の評価を高めるほど、健康になっていくことを示し、カウンセリング技術を創始した。

肉体的な痛みに対して過敏である人のみならず、歯科恐怖症にかかっている人が居る。歯科恐怖症のみならず、恐怖症患者はありとあらゆる身体反応:動悸、息切れ、振え、この状態から逃れたいという願いを呈する。自分がくつろいで、居心地良く感じ、自分でコントロールできる状態で、デンタルチェアに座っていられるように慣らして、恐怖の原因になっている対象物に対峙できるに脱感作する。歯科医も同種の歯科医、患者さんからの苦情、訴訟、うわさ、保険指導、パラノイアの患者さん、感染症、水銀中毒、環境ホルモン、そしてモンスターペイシャントなどの恐怖症に苦しんでいて、同じ人間です。

我々歯科医は、保険請求し、国に診療請求する。殆ど自己申告制なので、自分に有利なように余計に申告しようとする。逆に請求される側は、それを自重させようとして、ある歯科医に教育指導をする。入れば、かなり技官の人にいびられることになるので、我々は、何時か指導が入りはしないかと日夜ビビッているのである。歯科医は、日夜びびっている。それは人に進化の過程にあるのかもしれない。人の先祖は、樹上生活をしていた時は、食われる側にあり、捕食者が近づく微かな兆候に反応し、不安を喚起される性格が要求されていた。

動物は、えさが十分にある場合、小さなものを無視して大きいもの、美味しいものを食べる。しかし、一定量より少なくなると、えり好みを止める。ホンダのように売れている時、普通車だけ生産し、売れなくなると、軽自動車も販売するようになる。普通車1台と軽自動車を3台売った場合と同じ利益が転がり込むのであれば、大きくて美味しいものを食えるのであればホンダのように小さい餌を無視する。たとえば矯正歯科医のように、自費専門でやっていた歯科医が保険治療しだしたり、保険治療して歯科医が矯正治療やインプラントにとりついたりするのは、経営悪化に起因していることがある。

フロイトは、無意識を見つけた。無意識の動機によって、行動していると場合が多いと考えた。歯医者は、最もうれしい時は、患者さんを紹介して貰った時であり自尊心をくすぐられ、また、患者さん増え,増収で安心する。患者さんから物を貰っても何とも思わなくなっている。最も嫌な時は、患者さんとトラブルが発生した時で言い訳を考えて眠れなくなる。のど元過ぎれば、熱さも忘れるというように人は嫌なことがあると無意識に忘れようとすることを能動的忘却といわれている。意識化というのがあるが、例えば、「娘がパパなんか大嫌い」といって、気づいてほしいことがある場合のようにまったく逆の事を言って自分の存在や思いを伝えようとする。

私が特にそうだが自己卑下してしまう。それは、実は、利益にあずかれるからである。患者さんに対し、従属的な地位に甘じていれば、遺伝子のメリットにあづかる場合があり、自尊心の低いという心理状態が進化し、彼らは、それを隠そうとしないで、周囲に知らせ、低い地位に甘んじことによって、遺伝子の利益につながったていたのだと思う。服従的に見せていれば、モンスターペイシャントに攻撃されることはそれほど多くない。1988年、ジョン ハートゥング(人類学者)は、自ら欺いて自尊心を低く保つ。例えば、夫の職場では高い自尊心を示すことが出世のポイントであり、一家の家計収入がある程度かかっているとすれば、妻は夫に一歩下がって彼に自信を付ける手助けをしていると分析した。ダーウィンの自己卑下、謙虚さは戦術として効果をあげ、オックスフォードの戦いで、ウィルバーフォース主教のやりあいでは、トマス ハックスリー、フッカー、ライエルもダーウィンを擁護したという。

歯医者は、医者と違って歯科のみをやるしかない。歯医者は、ある一定のショバにおいて、同じ仕事で、争っているので、同じ仕事をしている他者を見下したいという感情は最高潮にまで達してしまう。著明な動物学者、リチャード オーエンですら、ダーウィンの「種の起源」を酷評している。無意識に同業者の欠点を探ろうとする気持ちを制るには並大抵のことではない。正当に他者を評価するなどという行為は、人間には無理である。
同業歯科医の利益は、自分の不利益に働くので敵意が生まれる温床になる。嫌いな同業者のことを思いだすたび憤りや怒りが蘇ることが知られている。ダーウィンには、レナード ジェンキンスという嫌悪するライバルの甲虫の昆虫学者が居た。ダーウィンは無理して、沢山の昆虫をプレゼントするとジェンキンスは狂喜した。ジェンキンスは、ダーウィンが欲しがっている標本を7、8匹持っているにも関わらず、プレゼントしてくれない、小さい奴と罵った。しかし、彼が珍しい双翅目の標本をプレゼントしてくれた途端、彼のことを優れた途端、優れた博物学者と評価が変えた。

アービング ゴフマンの著書、「行為と演技」によれば、我々は、舞台の観客を相手に演技して、望ましい結果を得ようとしている。人がどれだけ露骨な自慢話をするかは、その人物が置かれている社会環境の自己宣伝がどれだけ有効に働くかによって決定される。地位というものは相対的なもので、自分が得すれば誰か煽る方へと関心が向いてしまう。ある人間の欠点を周囲に吹き込むには、言っている自分がそれを信じることだ。
ダーウィンは人種の由来の中で、男にとって男はライバルが損する。誰かが損すれば、自分が得をする。誰かが得すれば、自分は損するとなると、無意識ながら、陰険なやり方で、地位を獲得しようとする。となると集団で、他人の不評をなので、競争に熱中し、残忍な野心、利己主義な性質につながってゆくと述べた。発情期にある雌はアルファ オスによって厳重にガードされ、アルファ オスは、この雌をめぐって嫉妬深くなる。それが適応度を増すのに役立つならば、心理の1部になっていく。アルファ オスが地位を握れば、多くの雌にこどもを作らせることが出来れば、自然淘汰が地位への果てしない執着をオスに植え付けた。Daly Martin,Margo Wilson,S.J.Weghorst.Male sexual jealously.Ethology and Sociobiology 1982;3:11-27

孫子は、戦わずして得る勝利こそ最高の勝利といった。ベジタリアンのゴリラのドラミングは、威嚇して争いを避ける為の音声攻撃によるDisplayである。チンパンジーは、集団Displayし、けたたましさにおいては、同業者が、近所で開業したことで怒り心頭に発した歯科医といい勝負である。霊長類は侵犯しないように警告を発し争いを避けようとする。ライオンは、ハイエナなどに縄張りを侵犯されると、威嚇行動に出ないで実力行使に出る。ローレンツは、水槽の中の魚は、同種の魚に攻撃し、多種には攻撃しないことを観察した。歯科医も同種攻撃しないように、歯科医師会を作ってなだめあっているのかもしれない。

攻撃性と憎しみは同種の動物内でのみ生じ、配偶者や食料を仲間同士で奪い合う種内生存競争によって生まれる。雄や男性は雌を獲得する為、下品な争いをするが、種内生存競争こそが攻撃性の原点である。ライオンが憎悪するのは同種のライオンでありシマウマは憎悪の感情の対象ではない。憎しみは、同種の職業間で生じ、しかも、類似が強い程、生じ、矯正歯科医は、近くの矯正歯科医に憎しみを持つ。同種商売は、商売敵同士で結合行動を怠らないように協会を設立する。歯科医は、歯科医同士で、結合行動を強化する為、歯科医師会に入らなければならない。

アブラムシ、ゾウムシ、トカゲは単為生殖し生まれるのは雌ばかりのクローンは、環境の変化により消滅する確率も大きい。アブラムシは、夏には、無性生殖で金太郎飴のような同じ遺伝子の♀ばかり生むが、過密になると♂を生み有性生殖によって遺伝子をブレンドする。金太郎飴的に増殖するゾウリムシですら、2つの固体が合体して体の1部をトレードしてブレンドしあう。企業は、高度経済成長の時代には規格化された商品を大量生産し、不況になると、多品種少量生産に切り替えて、生き残りを図る。バリエションの増加は、環境悪化のバロメーターになる。経営悪化した歯科医院は、利益率のよい矯正治療、インプラント治療を取り入れ、生き残りを図る。

家畜化された動物の脳は小さくなる。犬や豚の脳は、狼、猪の脳よりも小さい。人の脳はネアンデルタールやクロマニヨンよりも小さい。子供の期間は家畜化と同じで、親に餌付け:家畜化されている。おいぼれてから子供に養って貰い、子供に家畜化される。人間が刈りを始めたのではなく、猿が減少していく森林に見切りをつけ、狩を始めた結果として人間に進化したのである。歯科医院の業績悪化して、矯正、インプラントなどの異業種に参入するように、サバンナに出て環境変化に合わせて体型迄一変させ、直立した裸の猿になった。

マズローは、猿や人の社会的支配における服従行動の役割を研究し、社会的劣位を認めることで支配者を懐柔する効果があることを示した。上位の者は、劣位を認めさせ、自尊心が満足する。男や雄は、低位を引き換えに社会、群れの居場所を確保させてもらう。男が集まると階層的な関係ができる。低位の歯科医は、上位の歯科医に尻尾を振って、患者を分けてもらう。男の道徳観は、規則と権威に基づいており、支配志向と直結している。雄、男は、自らの地位を利用して交尾相手に接触しようとする。自分より、地位、身体などが上の雌、女性に決して近づかない。逆にメス、女性は、低い雄、男性を相手にしない。

男や雄は、絶えず、闘争することによって、その人と階層、地位関係を明確にしようとする。闘争後、両者の地位関係が明らかになることによって秩序が作られ両者に平穏が訪れる。男は、両者に共通の敵、スケープゴートを作って、団結を高めようとする。特に、歯医者は階級に神経質で、後で開業した保険指導で、スケープゴートを作る。歯医者が同業者の悪口を言うのは、友情を高め同盟意識を高める。セカンド オピニョンを求めてきた患者さんに他の歯医者の悪口をいうのも団結と寛容を高める絶好の機会でからである。女性にとって闘争は結びつきを脅かし、抱く恨みは、男性よりも長く続き、穏やかであるが、闘争にかかわってしまうと関係修復の可能性が低い。

「宗教は、麻薬である」と言ったカール マルクスは、「人間は人間にとって最大の存在である」と名言を残した。エイブラハム マズローは人間の生理的欲求には、5Fを挙げ、その内の1つがFlocking;群れる、である。ウィスコンシン霊長類センターを創設したハリー ハーロウによれば、集団生活によって、警戒システムが形成される。像が集団でいることで、小像が、ハイエナやライオンに襲われないようするのだ。アタッチメント理論を提唱したボウルビーによるとは孤独を避けるのは突き詰めれば、危険を避けたいからとした。歯医者は歯科医師会に入会して安心するのは、保険指導が入ったりでもしたら、会で助けてくれるから。

2匹の雄の求愛されたメスのグッピーが選んだ雄を隣で見ていた雌もそれを選ぶ。女性や雌は男、雄を選ぶのに他の女性、雌の評価をあてにし、女性や子供は、他人がほしいものは、自分もほしがる。同一化とは、ある対象を身近に感じて、それが置かれた状況をある程度、自分に引き寄せて考えられる能力である。同一化には、感情移入と模倣がある。模倣のレベルは、感情移入のレベルに左右される。欺瞞とは、自分の利益のために過去の行為、知識、意図についての事実と違うイメージをたくみに投影することを言う。歯科医としての腕が無い私は、あるかのように患者さんに見せる。何度もやっていると効果が無くなる。

自信がない歯医者は、こだわりを作り、よりどころとなる普遍の観念を求める。全てが比較にもとに評価される。合理化できない自分の行動も比較して正当化しようとする。どんなにいい加減でも、下手でも、浮気しても、他の人は、3回もやっているのだから、もっと下手だからと合理化する。人は、他人よりも自分が優れたい、勝ちたいと思う。人は、自分より劣る人を探して、比較し、自己満足を得て、自我を守る。GBR:骨再生できない歯科医が、インプラントできない歯科医に比べればと自我を守る。批判に対し腹が立つのは、自分が認めたくなかった自分を指摘されるからである。自分の意見と反対の立場を擁護することは、頭を働かせる貴重な訓練になる。

人は、「知性化」といって、最近の若い奴は、と相手に対する個人的な攻撃でもあるにもかかわらず、それを世代間の葛藤に摩り替えたり、自分の主観的な考えを客観的なものにしたり、個人的な葛藤を哲学的な問題に置き換える。知性化とは「合理化」の一種で自分の都合のいいような解釈を求めることである。インプラントする能力も、度胸のない歯科医が、インプラントは危険だからやるもんじゃないといって合理化する。医療訴訟にあった歯医者を持ち出して、自分は幸せだと安心しようとする。人の悲劇を好むのは、悲劇を見て、安心し、自分の境遇をプラスに評価したいからである。